今日は母から、4度の電話があった。
火・水・木とデイサービスに行っているため、電話は金曜日から月曜日に集中する。
自宅の金庫の鍵を、預けてある親戚まで取りに行って、自宅金庫を開け、通帳と印鑑を出し、銀行でお金を出してこようと思う、とのこと。
もう何度も説明しているので、どう返事をしたらいいのかわからず、しばし沈黙。
母は、お金を手元に置いておきたいし、私もできることなら、そうしてあげたい。
でも、ブログに書くのをためらうようなことがいろいろあって、警察からは、通帳や印鑑など大事な物は、しっかり管理してくださいと、指導されている。
もうこれ以上、人に迷惑をかけるわけにはいかない。
母にどうしてこういう状況になっているのか、説明すればするほど、母自身も落ち込んでいき、最後には「もう死にたい」という。その言葉を聞きたくないので、返す言葉が見つからない。
忙しい夕飯時に、何度も折り返しかかってくる。
「ベッドに暖かそうな敷き毛布が敷いてあるけど、この間持ってきてくれたん?
…もうこの頃何が何だかわからんし、何を言っていいのか分からんから、とりあえず、それだけ聞いとくわ…そう、○○ちゃんが持ってきてくれたん。誰が持ってきてくれたんか分からんから…」と同じ話を4回くらいリピートして切る。そして5分もしないうちにまた電話。同じ話。
「もう、何が何だか分からん…」を繰り返す。
記憶が全くないのは、母自身とても怖いと思う。少しずつ分からないこと、できないことが増えていく恐怖と不安、そして絶望。痛いほど分かる。でも、何度も聞くのはしんどい。一緒に底なし沼に落ちていくわけにはいかない。
だから、そんなときに、頭にいつも思い浮かべるのが、
陸に上がったタコのダンス。
8本の手足をふにゃふにゃ伸ばし、フラダンスをするタコで頭を埋め尽くす。ひたすらネガティブトークを、聞かないようにする。
これ、思った以上に効果あり。何より、「もう勘弁してよ」と思わず声を荒げることなく、電話を終えられるので、後で自己嫌悪に陥ることもない。